先日出先で用事を済ませ、車に戻っている間に見た地面が不思議な模様をしていました。思わず写真に撮り、帰宅してから調べてみたところ「斑点ぬれ雪」という初めて聞く言葉にたどり着きました。
不思議な地面に出くわし、「斑点ぬれ雪」という言葉を初めて知りましたー!#斑点ぬれ雪 pic.twitter.com/VjskFz9las
— イネ子@手稲暮らし (@teinekuineko) 2022年12月13日
不思議な水玉模様の地面には【斑点ぬれ雪】という名前がついていた
帰宅してさっそく画像検索をしてみると「斑点ぬれ雪」という言葉にたどり着きました。
斑点ぬれ雪とは?
斑点ぬれ雪とは、濡れ雪表面に白い斑点が現れている薄い積雪のこと。
この現象は以前から報告されていたそうですが、その生成過程や生成条件は解明されておらず、名称も定まっていなかったそうです。2009年11月1日に北海道北見市および置戸町で観察した結果を北見工業大学社会環境工学科の亀田氏らが日本雪氷学会で報告し、その後この現象に「斑点ぬれ雪」と名付け、その特徴や生成のプロセス、白い斑点の平面分布の規則性などを報告したそうです。
斑点ぬれ雪ができる過程
2016年名古屋で行われた雪氷研究大会(日本雪氷学会)によると斑点ぬれ雪ができる過程から消滅するまでを次のように説明されています。
- 湿った降雪(みぞれ)がアスファルトなどの道路上に降る。
- 路面上に湿った積雪が堆積する(1~3cm程度)。
- 積雪が部分的に誘拐し、水を含有する。
- 融雪が進み、積雪全体が水飽和となる。濡れ雪中の空隙が気泡となり、それが集積して、大きな気泡に成長する。その際に、濡れ雪の厚さやぬれ雪の力学的性質によって、大きな気泡の数密度の上限が決まると考えられる。
- 大きな気泡が形成される。
- 濡れ雪下部の路面に接触した雪が融け、路面上に水槽が生成される。大きな気泡は浮力により水槽とぬれ雪の境界に位置する。濡れ雪表面は気泡のため、盛り上がる。また、濡れ雪が厚い部分では内部の大きな気泡には周囲よりも大きな圧力がかかるため、気泡はぬれ雪が薄い部分へ移動する。
- 気泡の水平方向への移動により、さらに周囲の気泡と合体し、気泡体積が増える。
- プラスの気温のため、濡れ雪に含まれている氷粒が融解し、水が蒸発する。気泡上の濡れ雪と周囲の濡れ雪との厚さが等しくなった時に、濡れ雪内部での圧力分布が等しくなる。このため、水平方向への大きな気泡の移動が止まり、停滞期となる。また、白い斑点の位置でぬれ雪表面が盛り上がるため、白い斑点の動きは抑制される。
- プラスの気温のため、濡れ雪中の氷粒が融け、水分がさらに蒸発する。このため大きな気泡は接地する。大きな気泡上の氷粒が融けると、そこから空気が抜けて、白い斑点は消滅する。
斑点ぬれ雪は4種に分類できる
斑点ぬれ雪は特徴などから以下の4種類に分類することができるそうです。
- A 型(新たに堆積した 3cm 深程度以下の自然積雪から生成,広域に分布することが特徴)
- B 型(いったん堆積した自然積雪の融解過程で生成,5m×5m 未満など,比較的狭い領域に分布することが特徴)
- C 型(車のタイヤや人の足跡など,圧雪に生成)
- D 型(自然積雪または圧雪から生成されたが,マイナスの気温のため,表面が氷で覆われているもの)
A 型が観察されるのは比較的稀ですが、それ以外のタイプは1~3cm 程度の濡れ雪がアスファルトやコンクリート路面にあれば比較的容易に観察されるとのことです。
私が斑点ぬれ雪を撮影した日の天候状況など
私が斑点ぬれ雪と思われる現象を撮影した日は朝から雨が降っていました。前日は雪が降り、道路には積雪がある状態です。そしてこの日の気温はプラス気温でした。おそらく上記の分類でいうところのB型(いったん堆積した自然積雪の融解過程で生成、5m×5m 未満など,比較的狭い領域に分布することが特徴)のタイプなのかなと思います。
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おそらく人生の後半戦に入ったであろう年齢になっても、見たことのないものや聞いたことのない現象に出会うことができてとても新鮮でした(^^)/
写真に撮って画像から検索できる世の中、最高ですね!
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